石渡真紀は、手漉き和紙伝承の活動に励んできた母親の影響のもと、和紙の世界に深く魅せられ、独自の「植物の形態」を生み出してきた。斉藤友美恵は、陶磁を素材としながらも、与えられた展示機会やコンセプト、空間により、器からオブジェ、家具制作まで、作品の雰囲気を大きく変える捉えどころのなさがある。
両者による3度目の展覧会となる今展では、石渡の「植物の形態」と斉藤の「植物のような造形物」が、広い空間ベクトルと可視光線との合作として生み出される。それは観る時間帯によって表情が変化する生き物であり、作者にもはっきりと想定することができないオブジェである。
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