artstudio NAZUKARI WAREHOUS のシェアアトリエのメンバーでもあり、世界各国のアーティスト・イン・レジデンスに参加し、欧米での個展も多く経験、数々の世界的なアートフェアなどにも出品している湯浅克俊氏の当ギャラリーでの初個展になります。
湯浅克俊個展「WORK IN PROGRESS」2021.10.2(sat)〜10.24(sun)
土、日、月 13:00-18:00
NAZUKARI WAREHOUSE 千葉県流山市名都借827-3
東京メトロ千代田線(JR常磐線各停)「南柏」駅西口より徒歩15分
お車でお越しの方は、倉庫右手にございますNAZUKARI WAREHOUSE visitor用駐車場をご利用ください。満車の場合は、近隣の時間貸し駐車場をご利用頂くか、又はご相談下さい。
開廊日以外で展示をご覧になりたい方は、下記メールアドレスまでご希望日のご連絡をお願い致します。 nazukariwarehouse@gmail.com (担当 / 諏訪、斉藤)
同時開催:湯浅克俊個展「VR」 2021.10.9(sat)〜10.30(sat) 日・月休廊 12:00〜19:00
gallery YUKI-SIS :hp http://http://yuki-sis.com/
挨拶文
この度、YUKI-SISとNAZUKARI WAREHOUSEの2つの会場で湯浅克俊の個展を行うことになりました。YUKI-SISでは今年制作した新作を展示し、普段シェアアトリエとして利用しているNAZUKARI WAREHOUSEでは近年の代表作と共に現在制作中の大作をご覧頂けます。
ここ最近、湯浅は木版画の持つ自然サイクルの持続性に関心を持ち、環境問題にも目を向けています。アーティスト自身が作品制作に使用する素材や技法に気を配り、環境への負荷が少ない方法を選択することは現在大きな関心事項となっています。
現在彼はNAZUKARI WAREHOUSEのアトリエで2m x 3mに及ぶ巨大な木版画を1年以上かけて制作中です。モチーフとして選んだのは夏の雪。昨年実際に中国で夏に雪が観測されました。2000年代に入ってから地球規模での異常気象、温暖化は私たちの目の前に迫る危機としてあります。
湯浅は来年の四月からイタリアで行われるヴェネツィア・ビエンナーレと同時期に開催される大規模な展覧会に招聘されており、この大作を含め私たちが直面している環境問題を可視化した木版画作品を出品する予定です。詳しい情報は湯浅克俊のホームページをご覧ください。
アーティストステートメント
今年の八月、私は伝統的な手法で和紙を作るという機会に恵まれ福島県西会津町を訪れた。原料となる楮を煮て、皮を剥ぎ、繊維を叩いて、チリを取り、紙を漉く。漉いたら水分を絞って、板に張り付け天日に干す。緑が鮮やかな西会津の自然の中で過ごし、楮と水と光を使って和紙を作る。この貴重な経験は私を大きく変えた。これまでも普段使っている道具や材料がどのような手法で、どのような原料で出来ているのか知ることは制作者としての責任のように思っていたが、実際に体験してみてもう一段階深い理解に繋がった。
私は新作としてYouTube上でコロナ禍に流行ったバーチャルライブウォークを元にした木版画を制作した。ロックダウン中のロンドンはたくさんの人が外出し、公園は多くの人で溢れていた。かつて住んでいたロンドンの街が恋しくなり、知っている場所が映ると懐かしく、できることならば今すぐにでもその場に行きたいと思うほどだった。しかし、このような映像を楽しんだ後に残る感情は虚しさのみで、何も満たされることはなかった。そんな満たされない感情を制作に向けた時、板を彫る間に脳内には様々な思い出や風景が浮かび、まさにVirtual(実体・事実では無いが本質を示すもの)と言えるほどのもう一つのReality(実際にある、または起きるということ)を感じることが出来た。